2024年2月~5月 | 障害福祉 | 処遇改善補助金について
野田 美紗子 (行政書士)
令和6年2月分~5月分の福祉・介護職員の賃上げを目的とする交付金について解説します!
目次
福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金(令和6年2月~)
令和6年2~5月分まで、障害福祉サービス等事業所・施設等に対し、処遇改善加算等に加えて、全額を福祉・介護職員等の賃上げに使うことを要件とした交付金を創設されました。
交付金の額
各事業所の総報酬に、サービスごとに設定された交付率を乗じた額が支給されます。
計算式は?
一カ月の総報酬×交付率=交付額
地域相談支援、計画相談支援、障害児相談支援は交付の対象外となっています。
交付率
- 1.6%
居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、施設入所支援、短期入所、療養介護
- 0.8%
生活介護
- 0.9%
自立訓練(機能訓練、生活訓練)
- 0.7%
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援、自立生活援助
- 1.1%
共同生活援助(介護サービス包括型、日中サービス支援型、外部サービス利用型)、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援
- 2.1%
福祉型障害児入所施設、 医療型障害児入所施設
申請手続について
法人ごとに都道府県に計画書を提出し、申請を行います。
例えば、神戸市から指定を受けている事業者の場合でも、今回の交付金は兵庫県へ申請します。
計画書は、都道府県指定の様式を用い、都道府県ごとに作成します。
交付期間終了後、事業者は都道府県に実績報告書を提出する必要があります。要件を満たさない場合、交付金の返還をすることになります。
交付金の支給要件
交付金を受け取るためには、以下の3つの要件を満たすことが必要です。
- 福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を算定していること
令和6年4月サービス提供分からの算定が必要です。 - 令和6年2月分から賃金改善を実施していること
就業規則等の改訂が間に合わない場合は、2月分と3月分をまとめて賃金改善を行うことも可能です。 - 交付金全額を賃金改善に充て、4・5月分の交付額の3分の2以上を基本給等の引上げに充てること
2カ月遅れで加算分を払う事業所の場合(例えば、4月分の賃金を2か月遅れで6月に払っている)、交付金も2か月遅れで支払うなど、職員への支払の月は加算と交付金で揃えることが重要です。
対象となる職種
福祉・介護職員だけでなくその他の職員の賃金改善にも充てることが可能です。ただし、福祉・介護職員の処遇改善を目的とした交付金であることを踏まえた配分が求められます。
まとめ
計画書の提出時期・様式は2024年2月時点では公開されていません。兵庫県内に施設がある事業者の場合、兵庫県のホームページで随時情報が公開される予定です。
弊所では、6月からの処遇改善加算一本化に向けたサポートも行います。一度お気軽にお問い合わせください。