令和6年度 | 感染症対策委員会の設置が義務化【障害福祉事業所】
野田 美紗子 (行政書士)
令和6年4月1日から、全ての障害福祉事業者に対して感染対策委員会の設置と感染対策指針の策定が義務化されます。
この記事では、感染症対策の強化に係る取組みについて詳しく解説します!
目次
感染症対策の強化に係る取組みの義務化
感染症の発生及びまん延の防止等に関する取組の徹底を求める観点から、全ての障害福祉事業者に対して令和6年4月1日から感染症対策の強化に係る取組みが義務付けられます。
義務化に伴い必要となる取り組みは、主に①感染対策委員会の定期開催および結果の従業者への周知徹底、②指針の整備、③定期的な研修・訓練の実施の3点です。
それぞれの取組の具体例は、下記のとおりです。
感染対策委員会の定期開催及び結果の従業者周知徹底の義務化
以下の取り組みが必要です。
- 感染対策委員会の設置
- 委員会での検討結果について、従業者へ周知徹底を図る
- 感染対策委員会の定期的な開催
- 「定期的な開催」とは、どのくらいの頻度を指すの?
-
おおむね6カ月に一回以上(Aグループ)
訪問系サービス、相談系サービス、就労定着支援、自立生活援助
おおむね3カ月に一回以上(Bグループ)
上記以外のサービス
※感染症が流行する時期などは別途必要に応じて実施する
感染対策委員会に関する留意点
Aグループ、Bグループの共通点
- 委員会構成員の責任と役割分担を明確にし、専任の感染対策担当者(できれば看護師)を定めること
- 他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することも可能
Aグループの留意点
- 感染対策の知識を有する者を含む、幅広い職種により構成することが望ましい
- 他のサービス事業者と連携して行うことも可能
Bグループの留意点
- 他の委員会から独立して設置・運営する
- 幅広い職種により構成すること
指針の整備の義務化
指針の整備では、以下の対応を規程します。
- 平常時の対応
・衛生管理~環境の整備、排せつ物の処理、血液・体液の処理等
・日常の支援にかかる感染対策~予防策(血液や排せつ物などに触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるときの取りきめ)、手洗いの基本、感染や食中毒を早期に発見するための日常の観察項目など - 発生時の対応
・発生状況の把握、感染拡大の防止、関係機関(医療機関や保健所、市の関係部署)との連携、医療処置、行政への報告等 - 体制の整備
・発生時における事業所内の連絡体制の整備、関係機関(医療機関や保健所、市の関係部署)への連絡体制の整備
定期的な研修・訓練実施の義務化
従業者に対して、感染症の予防及びまん延の防止のための研修および訓練の定期的な実施と、研修内容についての記録が必要です。
定期的な教育・訓練の実施頻度は、Aグループは年1回以上、Bグループは年2回以上が必要です。
運営規程の変更を忘れずに
運営規程に感染症対策委員会に関する文言を記載し、重要事項説明書と整合性を取ることが必要です。
令和6年4月の義務化を機に運営規定を変更した場合は、変更届も忘れずに行政庁へ提出しましょう。
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