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定員超過利用減算【放課後等デイサービス・児童発達支援】

障害児通所支援事業を運営する際は、定員超過に注意

 

安全なサービスの提供を確保し、事業所が対応できる範囲を過剰に超えた利用を防止するために、定員超過利用減算という制度があります。

 

この記事では、次のことが分かります。

  • 定員超過利用減算の要件
  • 計算例
  • 多機能型事業所における取り扱い
  • 減算の対象外となる場合について

 

定員超過利用減算とは

 

定員超過利用減算では、指定障害児通所支援事業の1日当たりの利用定員を上回って利用させている場合に減算されます。

 

以下の①、②のいずれかに該当する場合に所定単位数の70%に減算されます。

 

1日の利用実績をもとに計算する場合 

  • 1日当たりの利用者が定員50人以下の場合

定員から150%を超過している場合、当該1日に障害児全員について減算

 

  • 1日当たりの利用者の定員が51人以上の場合

(定員―50)×125%+75を超過している場合、当該1日に障害児全員について減算

 

② 直近の過去3カ月の利用実績をもとに計算する場合

  • 直近の過去3か月間の平均利用者数が、定員に開所日数を乗じて得た数に125%を乗じて超過している

*ただし、定員11人以下の場合は、直近過去3カ月の利用者の合計数が、定員に3を加えた数に開所日数を乗じて得た数を超過している場合)

 

複数のサービス提供単位が設置されている場合には、サービス提供単位ごとの障害児数や利用定員で計算します。

 

所定単位数は、各種加算が算定される前の単位数とされ、各種加算を含めた合計単位数の70%ではないので注意が必要です。

 

 

定員超過利用減算を計算してみましょう!

 

上記①、②の具体例で計算してみましょう。

 

①1日の利用実績をもとに計算する場合

 

  • 1日の利用定員が10人のケース

 

・10人×1.5=15

となり、1日あたり15人以上利用すると定員超過利用減算の対象となります。

 

  • 1日の利用定員が60人のケース

 

・(60-50)×1.25+75=87.5

となり、1日あたり88人以上利用すると、定員超過利用減算の対象となります。

 

②直近の過去3カ月の利用実績をもとに計算する場合

 

  • 利用定員が30人、1月の開所日数が22日のケース

 

・30人×22日×3カ月=1,980人

・1,980人×1.25=2,475人

となり、3カ月の総延べ利用者数が2,475人を超えると減算となります。

 

  • 利用定員が10人、1月の開所日数が22日のケース

 

・(10人+3)×66日=858人

となり、3カ月の総延べ利用者数が858人を超えると減算となります。

 

例えば5月、6月、7月の3か月間で定員超過となった場合、8月分で利用者全員につき減算されます。

 

定員超過利用が行われる障害児通所支援事業所には、都道府県知事から指導が行われ、特別な事情がない限り、指導に従わなければ指定が取り消しとなってしまいます。

 

多機能型事業所における定員超過利用減算の取り扱い

 

多機能型事業所とは、放課後等デイサービス+児童発達支援、児童発達支援+生活介護のように、2つ以上のサービスを一体的に組み合わせて指定を受けた事業所です。

 

例えば、午前は児童発達支援事業を行い、午後は放課後等デイサービスを行う多機能型事業所の場合、定員の合計を10名以上とすることができます。

 

また、同じ人員を配置し、指導訓練室など同じ設備を使うことができるため、開業資金を抑えられるメリットがあります。

 

なお、多機能型事業所の場合も、指定申請は種類ごとに行うため、事業の追加については、追加指定を申請します。

 

多機能型事業所における1日あたりの利用実績による定員超過利用減算、直近の過去3カ月の利用実績による定員超過利用減算は、単独の事業所と同じ計算方法となります。

 

ただし、多機能型事業所が行う複数のサービスごとに利用定員を定めている場合、児童発達支援で〇人、生活介護で〇人のように、サービスごとに利用定員を超える受け入れ可能人数を計算します。

 

 

定員超過利用減算の対象外となるのは、どんな場合?

 

障害児通所支援事業所では、利用定員・指導訓練室の定員を超えて支援を行うことはできません。

 

例外として災害、虐待、その他のやむを得ない事情がある場合は、定員超過利用減算の対象外となります。

 

「やむを得ない事情がある場合」の具体的なケースは、都道府県等において個別の事情に応じて判断されます。

 

定員超過した日は人員配置に配慮が必要となり、障害児の数が増えた分、児童指導員、保育士、障害福祉サービス経験者(経過措置対象の事業所のみ)を追加で配置しない場合、人員欠如減算となります。

 

ただし、定員超過した日の災害の直後に上記の職員を配置できなかった場合には、人員欠如減算は算定されません。

 

 

お問い合わせは、こちらのフォームからお願いいたします。

 

 

 

参照:

01_「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.4(令和3年5月7日)」_ (mhlw.go.jp)

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